2014年1月下旬
アラスカの先住民が、日本の技術や鮮魚の市場を見るために来日しました。
団体は2つで、1つはベーリング海に浮かぶセントポール島、もう1つはアリューシャン列島のポートヘイデン村。
それぞれ村(部族)の代表の位置にある方々です。
目的は、日本の特殊冷凍がどのようなものなのか、そして特殊冷凍を用い、地方創生の1つのモデルになっている「海士町」はどのようなことをしているのか見ることです。
7日間の滞在で大まかなスケジュールとして
特殊冷凍技術の視察
海士町へ視察
を組みました。
ABI社にて
ABI社の特殊冷凍CASを視察しました。
ABI社大和田社長に、村の現状など伝え、ぜひともCASを使い、村おこしをしたいということを伝えました。
その思いを汲み取っていただいたのか、大和田社長もぜひとも使ってほしいという返答もいただきました。
ABI社の大和田社長は、CASという特殊冷凍技術を利益追求型の大手には一切売ることなく、これまでやってきました。
それは、地方を創生すること、ハンディがある人に対し、CASを使ってほしいという思いがあったからだそうです。
ポートヘイデン村の状況
ポートヘイデン村はアリューシャン列島にある小さな村で、ベーリング海に面しています。
アンカレッジから直線距離で700km(東京-山口県)の場所。
ベーリング海でも入り江になる場所があり、豊かな漁場が村の前に広がります。
魚を求め野生の動物も多く、アザラシやラッコなどが岸で群れていることも多い地域です。
そんなポートヘイデン村は人口100人にも満たない小さな部族。
今の問題は若い人が減りつつあることです。
日本の地方の集落と同様に過疎に悩んでいます。
過疎により子供の人数が、一定の数を下回ると、学校が閉鎖されることになっています。
最低限の教育を受けるべきために学校があるのに、学校が閉鎖されるということは、その部族がその地で住み続けることができないという状況になるのです。
先祖代々その土地で過ごしてきた部族にとってそんな悲しいことはありません。
これまでは、近隣の村々と協力して子供を移住させたり養子縁組などをして子供の数を維持してきました。
しかし、根本的な問題は若い人が村を去らざる得ない現状です。
「産業」が無いことが1つの要因と考えています。
今のところ、一般的な鮭やタラの漁しか収益が上がっていません。
しかし、それらの魚種は、大手水産会社しか売り先がなく、あまり良い価格で購入してくれないのが現実です。
日本では地域ごとに特産品となる「カニ」があったり、「青刀サンマ」「戻りガツオ」「関サバ」というように地方の特色を活かしたブランド魚があります。
このような地域の特性が活かせないのがアラスカの現状です。
この特殊冷凍を活用することで、地理的に不利な場所から、質が良い、鮮度の良い魚を市場に出せることができればと考えています。
ぜひCASを導入できるよう、地域の漁業をまとめている会議にCASを用いた村おこし企画をあげ、導入を目指すことになります。